ルバーブではなく芋茎(ずいき)。
艶感のない赤紫色を含んだ地味な色をしている芋茎。
これを好んで食す地域はどれくらいあるのか と 、いつも思う。
わたしは新潟に来るまで生のフレッシュな芋茎を見たことがありませんでした。
芋茎といえば乾物の状態のもので、しかも "ずいき" ではなく "いもがら" と呼んでいたのです。なので、叔母が ”ずいき” と言って収穫したての芋茎を持ってきたときは全く異国の植物にしか見えませんでした。
ずいきは八つ頭(ヤツガシラ/里芋の一種)の葉柄の部分。 初夏から初秋にかけて頃でしょうか、葉の部分は切り落とされ長さが揃えられたものが束になって売られます。写真は叔母の畑のずいきなので、葉こそ切ってありますが、長さも太さもまちまちのものが入り混じっていて、短いものの中からは幼い葉が出てきたりします。
普通の里芋の茎はアクが強く、ずいき(ヤツガシラの茎)はアクが少ない。と、言われますが、それでも結構なアクがあります。
なので、まずは下処理をしてから酢の物などに調理するのが一般的です。
■ずいきの下処理の方法
皮をむく(フキをむく要領で)
→晒す(たっぷりの水の中で30分以上)
→茹でる(茹ですぎないように注意!竹串をさしてスッと通ればOK)
→切る(4~5cmに切る)
※切ってから茹でる人もいます
以上のような下処理をしてから甘酢に漬けに調理するのが一般です。
酢の物にすると茎に含まれているアントシアニンという色素で美しい赤くなります。酢の物の作り方はこちらに書いています。
芋茎(ずいき)はもともと「古血を洗う」といわれ、出産後の女性に食べさせたとか。お祝い事の席では赤飯とセットで振る舞われたとも聞きます。この可愛らしいピンク色の酢の物はテーブルにも映えるし、ちょうど良い箸休めにもなります。ちょっと手間暇かかりますが、手に入ったらお試しください。