新潟の秋の風物詩的食材のひとつ食用菊、かきのもと。
今、伯母の畑にも紫色のかきのもとの花が見事に咲き乱れています。
柿の実が色づく頃に咲くから「かきのもと」と言うのだと聞いていましたが、その謂れはいろいろあるそうですね。
全国的に知られている食用菊というと、山形県の「もってのほか」だろうと思います。新潟にも黄色い食用菊はありますが、好まれるのは断然この紫色の「かきのもと」なのですよ。
食べ方は、茹でておひたしにして食べるのが定番。好みで大根おろしやなめこなどのキノコやその他の野菜と和えたりすることもありますが、いずれにしても酢醤油やだし醤油でさっぱりといただきます。
かきのもとは、色、香り、そしてシャキシャキとした歯ざわりを楽しみます。
こちらに暮らし始めた頃、伯母の茹でるかきのもとの色の美しさ、そしてシャキシャキとした歯ざわりの良さに驚いたものです。そして、しつこいくらい伯母に「どうしたら色がよくなるの?」「茹でたら水に取るの?」などと質問を繰り返しながら、コツをつかんでいきました。
【かきのもとの茹で方】
- 花の状態のまま水で洗ってザルにあげてから花弁を外していく。中心を押さえて花を回しながら引っ張ると花弁がつぶれずにきれいにはずせる(このとき真ん中の部分に苦みがあるので、芯に近い部分は残す)。
- 鍋にたっぷりの湯を沸かし、少量の酢を入れてさっとゆでる。少量といっても色よく茹でるには酢が重要!特に色良くしたいと思うときは気持ち多めに(ただし、少し酢の香りが残ります)。茹で時間の目安は箸で大きくゆっくり5~6回かき混ぜる程度。
- 冷水にさらして、菊の粗熱がとれたらザルに上げ、軽く水気をきる(手できつく絞ったりするとシャキシャキ感がなくなるのでなるべく自然に水切り)。
茹でた菊は、ジップロックに薄く広げるようにして冷凍保存可能。食べるときは自然解凍でOK。また甘酢などの下味で和えてから冷凍しておくのも便利です。